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2016年03月10日

憧れ。

憧れ。
私が持っている椎名誠さんの文庫本と単行本は合わせて12冊だけだ。
けっして多い冊数ではない。そもそも本屋さんへ、わざわざ行く時は
椎名誠さんの本が読みたくなった時だけ。街中の書店へ出向く訳でも
なく、近所というにはかなり遠い一地方の駅前繁華街的場所。そこに
たどり着くには単調な歩道をてくてく964メートル歩き(ク・ル・
シ...と読めなくもない嘘くさい距離^^;)高架橋を超えてようやく
右折をした後も視界の先に広がる直線距離にして数キロと、めっぽう
遠いのだ。ここで一つため息が漏れる。でも決めた以上行くしかない。
自分の趣味にタクシーに乗って出かけるなんてご法度。断じて許さぬ
と意地を張る男気が顔を出すのだ。だからきっぱり自分の足で歩いて
いくのが唯一「あなたって一途な男だったのね」と胸を張って語れる
...いや語りたいと貫き通しているのである。
夏の暑い盛りよりは今のキンと冷えきった空気の方が心地よい。歩く
ことに疲れが見え始めたら久し振りに見る居酒屋の看板を眺めながら
道順を間違ったのかしらん...的な顔をして、立ち止まるのがよろしい。
裏小路の中に入るのもまた良し。へぇ〜ここにこんなお店があったの
だねと、まるで新発見の旅にでも来たような感慨に耽ることもできる
のだ。ただし真昼間から居酒屋の扉を開けるのはご法度。うん?この
時間から開いている店はござらんか。太ももの痺れが和らいできたら
元の道に戻って小さく見える駅近辺の建物を凝視奮起するだけなのだ。
数年前だったかな、我が愛車の修理を問い合わせたらけんもほろろの
対応をしやがった自転車屋さん。昔仕事でお付き合いをしていたけど
今はどうしているのか知らんもんねの豚丼のお店。美味しいお蕎麦を
提供していたけれど、数年前にお店の名前が変わりお味も変わったの
かしらんのお蕎麦屋さん。こじんまりと個人経営していた風の小さな
パチンコ屋さんはもう無くなっていたり。そんなこんなを懐かし気に
見仰ぎながらようやく目指す建物が近づいてくるのである。
大都会の象徴みたいに、めったやたら天空に向かって伸びやがる高層
マンションが、この寒空に震えて見えるのは私だけではない筈なんて
ほざく自分が惨めっぽいとは思うのだけれど。地震がきて前後左右に
大きく揺れるタワーマンションはあの中国の廃墟みたいな都市にこそ
ふさわしいではないかと常々思うのだよ。ああ、いけない。普段胸に
しまいこんでいた、ひがみっぽさが喉の奥から息急き切って出てきて
止まらないのである。歳をとるとは、胸中を穏やかにしまい込む人と
暴れん坊のように悪態をつく私のようなタイプと二分されるのですね。
この二人が何かのことで対峙したら、傍目から見ても勝敗は決まって
いますね。勝者は黙して語らず、ただ穏やかにニコニコ顔のご老人で
しょうな。分かっていても、旅烏にはできそうにもないと決め込んで
います。これが間違いなのかもしれませんがね・・・。
ところで本のことが書かれていない。ではでは、私の得意技の次回に
引っ張ってさしあげましょうか、と言いながら何を書きたかったのを
忘れましたので。うんうん。face03


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Posted by 北の旅烏 at 11:24│Comments(0)趣味。追憶。
 
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